【編入体験記】大阪大学 基礎工学部
- 2020.03.06
- 大学

はじめに
新たにブログを開設したので編入体験記を書きました。
阪大基礎工学部に編入予定の高専生は参考にしてください。
結構書いたので長いですがお時間ある人はお付き合いください。
基本情報
志望学科:大阪大学 基礎工学部 情報科学科 ソフトウェア科学コース
試験日:7月9日(筆記試験)10日(面接)
合否発表日:7月10日
阪大基礎工編入学試験のいいところは合否の結果が試験当日にわかることです。
受かってるかどうか心配しながら数週間過ごす必要もないですし、高専生があまり体験しないであろう合格者の張り出しに立ち会えます。
受験者数:49人(ソフトウェア科学コース9人)
合格者数:21人(ソフトウェア科学コース3人)
倍率も高々2~3倍で他大学や筑波大学の約10倍と比べても非常に倍率が低いと思います。
(筑波大学情報の倍率の高さは異常ですよね?落合陽一効果でしょうか?)
阪大基礎工と一緒に工学部の試験を受ける人も多いようです。
工学部は情報onlyな学科ではなさそうだったのでやめました。
工学部の試験は確か8月にあったと思います。
筆者のスペック
趣味は競技プログラミングです。
一応情報オリンピックの本選に出場したり、パソコン甲子園やSupercomputingContestにも出場しました。
が、すべて2~3年前の話で、現在の実力は競プロ界隈では下の方です。
JOI本選erというと強くみられるので恐れ多いです。
3年前と競プロ人口は大幅に増えていて全体のレベルも上がってますし、レートも非常に上がりにくくなっています。
3年ぶりに最近再開した筆者はレートが下がる一方で困っています…
高専の席次は1位ですが、阪大基礎工の入試に関わるかは不明です。
阪大編入レポートなどを見ると合格者は席次1位が多いです。
出願前
私が受験勉強をしようと意志を固めたのは4年夏休み(9月~)です。
ちょうどその頃パズドラのメタトロンが最強アップデートされてたまたま私が持っていたために数年ぶり(中学生以来)にドはまりしてしまいました。
そのせいで、実際に勉強を始めたのは4年冬休み(12月~)です。
阪大を志望したのは、東大・京大が2年次編入であることや競プロ界隈が強すぎること、SupercomputingContestに2年出場し阪大のキャンパスの雰囲気を知っていたことが大きいです。
今では、2年次編入もかえって魅力的で東大工学部計数工学科もいいなと思っています。
もう少し勉強を早く始めていれば選択肢に入っていたかもしれません。
勉強方法などは記事の後半に
滞在情報
前泊で行きました。
ホテルは大阪空港周辺の東横インに泊まりました。
試験会場の豊中キャンパスまで大阪モノレール2駅なので行きやすいと思います。
筆記試験
筆記試験は英語、数学、物理、専門の試験を1日で行います。
学科によって異なるのは専門の部分のみで、英語、数学、物理は基礎工学部を志望している全員が受けます。
年によって難易度がばらばらですが、私が受けた年は易化していると思いました(特に物理)。
英語
英語は大問が3つ、英文和訳、長文、和文英訳でした。
昨年は自由英作文もあったため、自由英作文を対策していたのですが、出題されなくてラッキー?でした。
和訳は80語程度の英文2つ、長文は1ページ超、英訳は200字程度の文が2つでした。
全体を通して登場する単語・文法が難しく非常に読みづらかったです(筆者はTOEIC685点の英弱)。
出来は4割程度だったと思います。
数学
数学は大問が3つ、微分積分、線形代数、確率でした。毎年ほとんど同じです。
微分積分は数式の書き方に戸惑い間違え、線形代数は行列の対角化を応用した問題に加えて簡単な証明問題、確率は簡単ではないですが解けました。
確率を表す数列の収束性で最大値を求める問題でしたが、周りが解けてなさそうで安心しました。
出来は7割だと思います。微分積分で変な勘違いをしなければ10割いけたと思います。
例年の数学に比べても簡単になってると思いました。過去問は大問1から何をしたらいいかわからなかったので。
物理
物理は大問が3つありますが、志望する学科・コースによって問題を選択できます。
大問は力学(剛体)、電磁気、熱力学でした(毎年変わっていません)。
私は力学と熱力学を選択しました。
力学は、普通の剛体振子で教科書の例題レベル、熱力学は普通のカルノーサイクルでこれも例題レベルでした。
電磁気は問題に不備があったそうです。
何を選択するかですが、出題範囲から考えて圧倒的に力学と熱力学だと思います。
出来は10割(満点)だと思います。
専門
専門が学科・コースによって異なります。
ソフトウェア科学コースは大問が3つ、C言語、論理回路、アセンブラです。毎年変わっていません。
それぞれ1ページずつなので非常に短いです。
基本情報技術者試験や筑波大学情報の編入試験のような何ページもある問題ではないのでありがたいです。
C言語は配列の値の出現頻度から順位付けする問題。
論理回路はオートマトンから回路設計する問題。
アセンブラは覚えていませんが、過去数年間で一番難しいと感じました。問題設定が複雑でした。
普段から趣味でプログラミングをしていればほぼ満点狙えると思います。
私はおそらくアセンブラで間違えて9.5割だと思います。
面接
面接時間は10分で圧迫感なし。毎年必ず聞かれるのは志望動機と試験の出来です。
面接の時点ではすでに採点が終わっています。
試験の出来が悪いとほとんど何も聞かれずにすぐに終わるらしいです。
私は面接でグイグイ聞かれたので少し安心しました。
志望動機は阪大で開催されるSupercomputingContestのことを言うと、どんなことをやったのかを聞かれました。
スパコンの配線問題や音声データの圧縮の問題を熱く話し合いました。
調査書にJOI出場のことが書いてあったらしく聞かれました。
日本代表になれたのかと聞かれたので、おぅ…と思いました。
日本代表がどれだけすごいことなのかを解説しましたw
色々な質問が続き、「先生方ほかに何かありますか」で終わるかと思いきやさらに質問が続きました。
面接はとてもいい受け答えができたと思います。
試験対策・参考書
勉強として使用した参考書、おすすめを紹介します。
私はStudyPlusなどを使用せずに参考書と過去問で勉強しました。
過去問は5年分解きました。
英語
私は英語が非常に苦手なので1から勉強しなおしました。
速読英単語→DUO→鉄緑会の順にやるとよいと思います。
私は鉄緑会をする時間がなかったため、DUOを反復して終わりました。
後の2冊は英語できる人は必要ないと思いますが、英弱な私は役に立ちました。
特に自由英作文編は英作文を書く勇気をくれた本です。
数学
この本は言うまでもなくやった方がいいと思います。
編入生全員やっているので必ずやりましょう。
私は3周以上やりました。
この本は1周やればいいと思います。
確率を鍛えるためだけの本です。やらなくてもいいと思います。
私はこの3冊と過去問程度しか解いていませんが、なんとか対応できました。
物理
物理を忘れた人が思い出すための本です。
軽く1周ずつやればいいと思います。
私の高専では剛体の平面運動をやりませんでしたが、この2冊で対応できました。
今年度出題された剛体振子や過去に出題された問題など数多く掲載されています。
熱力学は物理のエッセンスと基礎物理学演習のみで対応できると思います。
物理は過去問をすべて解けるように対策しておけば問題ないと思います。
専門
論理回路は授業で使用したこの本。
各高専でもらった本でいいと思います。
アセンブラも高専でもらったこの本。
最悪過去問だけやるだけで対応できると思います。
C言語は過去問を解く程度で対策していません。
さいごに
無事に合格することができました。
筆記試験の対策のおかげというより、在学中での競プロのおかげが大きいと思いました。
最近は勉強しかできない人が多いので、なにか学問的な趣味を極めるといいと思います。
大学で競プロをしたい人は阪大を選択肢に入れてみてはどうでしょうか。
過去数年分の体験レポートは大阪大学編入会にアップロードされています。
編入後の内部情報なども今後ブログに書きたいと思います。
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